昨年に引き続き、2回目となる表題の市民公開講座が、7月21日(土)13時40分より、宇土市民会館大会議室にて開催された。来場は、障がいのある子どもを持つご家族のほか、行政機関、近郊の教育関係者、医療関係者、障害福祉サービス事業者など約80人で賑わった。
開催にあたり、実行委員長であるプリズムの甲斐静江代表から主催者のご挨拶。次いで、宇土市の元松茂樹市長から心のこっもったご挨拶を受けてのスタート。
第一部では、文部科学省 初等中等教育局特別支援教育課 特別支援教育調査官 中村大介氏より、「発達障害のある子供に関する施策の動向」と題して、平成30年度から学習指導要領(改訂)の説明、厚労省と文科省が合同で策定された施策、教育と福祉等の連係など項目ごとい熱く語られた。特に資料の特別支援教育の現状報告で示された、人口減少が進む中で、通報による指導を受けている児童生徒数の推移の拡大状況との比較グラフが示され、会場から大きなどよめきが。
第二部では、松橋東支援学校 教諭の今田浩一先生から「教育現場からの発信~巡回相談を通して~」と題して、学校での取り組みが紹介された。また、同行と提携する希望ヶ丘病院のPSW増田史弥先生より、訪問教育のメリット・デメリットなどの実践報告が説明された。
第三部では、相談支援センターいちばん星(熊本県菊郡大津町)の伊豆野良栄先生から、大津町から委託を受けた「ペアレント・プログラムの実践報告」が行われ、同町では、保護者からの参加希望が絶えず、年間5回を開講しておられ、受講生らの声などを報告して頂いた。
第四部では、甲斐代表から親の立場からの療育の重要性と、家族が受容していく上で必要なペアレントプログラムの有効性について語られ、登壇者全員でシンポジウムが行われた。テーマは二つ。第一にカミングアウトについて、第二に子どもらと向き合うために住民にとって必要なことについて全員から意見を頂いた。
当日の参加者からは、「来て良かった。」「勉強になった。」と多くの意見が寄せられた。次回の開催は未定。できるならば、宇土市民の中から自発的に継発活動を継いでくれる人材が輩出されることを心から願うばかりである。
写真は、開催前の打ち合わせ中のスナップとイベント中の模様である。
報告者:プリズム事務局 中山泰男